高知大学との共同試験

2012年に国立大学法人 高知大学と機能性、収量及び品質向上の研究を開始しました。
肥料吸収係数・機能性成分の含有量・日持ちについてなど、これまで様々な研究を行ってきました。
令和6年度の共同試験で、プレミアム セルー酵母発酵物SPを中心とする有機質肥料について
高温障害に負けず、収穫量・旨味・日持ち・栄養価もアップする理由が解明され、卒業論文として発表されました!!
SPを中心とする有機質資材の施用により、日持ちの向上については細胞レベルで研究され、ついに原因を突き止めました!


引用: 上田 風見『プレミアムセルー酵母発酵物(SP)を含む新規資材が野菜の機能性に及ぼす影響』(2025)  R6高知大学 論文(1).pdf より抜粋

① <イチゴ>

細胞構造の観察

イチゴ(処理区)
処理区

細胞面積10,000~20,000 μ㎡の範囲で最も高い割合で分布。

イチゴ(対照区)
対照区

細胞面積10,000~40,000 μ㎡の範囲に約80%の細胞が分布。80,000 μ㎡以上の大型な細胞も確認された。

イチゴにおける結果および考察

プレミアムセルー酵母発酵物(SP)などを用いると正常な細胞構造維持に寄与し、収穫後の電解質漏出の程度が低くなるため、軟化抑制効果があり 鮮度保持効果を高めることが示唆された。収穫後の電解質漏出物が少ないため、 カビによる腐敗も抑制されたと考えられる。

先行研究(稲荷ら)によると、ペクチン質の変化により、果実や野菜は成熟に伴って組織が軟化する。塩酸可溶性ペクチンは成熟するに従って未熟53.7%、緑白41.8%、成熟28.1%と減少し、水溶性ぺクチンは未熟16.7%、緑白28.1%、成熟34.8%と成熟するに従って増大することが明らかとなっている。

酵母発酵物(SP)などを用いると、 水不溶性である塩酸可溶性ペクチンの減少が抑えられ、水溶性ペクチンの増加が抑制されることで細胞構造の正常な維持や電解が早期に漏出することを抑制しているのではないかと考えられる。

注:ペクチンとは細胞壁を構成する多糖類の一種で、細胞同士を接着する役割がある。

  

細胞の小型化と緻密性の向上は組織の物理的強度の向上に繋がり果肉の緻密性向上に影響を与えたため、食感評価において果肉がしっかりしているとされたと推察する。

② <ニラ>

細胞構造の観察

ニラ(処理区)
処理区

細胞配列がより緻密で密集している傾向が見られる。

ニラ(対照区)
対照区

細胞配列やサイズにばらつきが見られる。

ニラにおける結果および考察

プレミアムセルー酵母発酵物(SP)などを用いると、 安定して立性が維持され、傾斜角が抑制された。このことから、細胞間隙が小さく、細胞壁の配列が規則的であり、水分を保持しやすい。
一定日数置いた検証は行っていないが、細胞壁の配列が緻密のため水分保持の向上によりしおれにくいことを示唆している。

食味評価では甘味・旨味が向上し、酸味・苦味が抑制される傾向にあり、パネラーからの嗜好性も高かった。その他のメチインやアリイン等の含有量も増加し、味覚要素も含めた総合的な品質向上をもたらすことが確認された。このことから、ニラの商品価値向上に有効であることを示唆している。

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